40歳の時に20年近く勤務した会社を辞めた。いろいろな事情はあったが、今思うに「そろそろ人生を見渡すために一度立ち止まってみたかった」という気持ちも大きかったようだ。ユングは人間の40歳くらいの時期を「人生の正午」と呼んだが、自分はまさに典型的だったなあと自身のわかりやすさに少し呆れてしまう。
早期退職制度の利用で1年近く時間ができたため、これまでやりたかったことがいろいろとやれる機会となった。旅行や通学など、この期間に挑戦したことはそれぞれいい経験になっているが、意外にも印象に残っている記憶は、近くの公園にある林の中を毎日散歩した時間のことだ。独りで、自分のペースでひたすら歩き続けていると、いつしか周囲の音も聞こえなくなり自分の内面と深く向き合うこととなった。今こうしてキャリア関連の職に就いているのもあの時間があったからで、自分の人生を吟味した、貴重な時間だったなあと時々懐かしく思い出す。
今年から始まる「キャリアマンス」。変化の激しい時代の中で老若男女ちょっと立ち止まって今の自分を味わってみる。周囲の人たちと語り合ってみる。人生100年といわれる中で時々そんな機会を作ってみるのも悪くないように思う。
キャリアマンス2019実行委員 山本達夫
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